名古屋市生物多様性ポテンシャルマップについて
当社は2023年度、名古屋市において実証事業「生物多様性ポテンシャルを評価しビオトープづくりを支援する実証/ビオトープはどうつくる?テクノロジーでビオトープの豊かさと形成プロセスを可視化したい!」を行いました。
近年、生物多様性保全への関心が高まり、それに伴いビオトープ(生物の生息に適した環境)づくりにも関心が寄せられることが期待されます。しかし、都市化の進んだ名古屋市内でビオトープづくりに取り組むには、そこを訪れる可能性のある生物を想定し彼らの生息に適した環境を効率的・効果的に創出するノウハウが必要です。
本事業では、土地の湿潤度や緑被地、土地利用履歴などの様々な地形データ(GIS)をベースに、土壌の微生物 DNA 解析結果と生物の専門家の知見を組み合わせることで、ビオトープを作るのに適したエリアを予測できる”生物多様性ポテンシャルマップ名古屋版”を作成しました。
作成したマップは従来技術と比較し格段に解像度が高く、ピンポイントで生息適地(ホットスポット)を絞り込むことができます。予測されたホットスポットにおいて、簡単なビオトープ整備を実施するなど、マップの有用性の検証も行いました。
このマップを用いれば、ビオトープづくりの適地がわかるだけでなく生物多様性の観点から保全すべき場所を容易に推定することができます。
Hatch Technology NAGOYAのHPでもレポートが紹介されております(→こちら)。
また実証事業は終了しましたが、引き続き名古屋市のポテンシャルマップを作成しましたので以下でご紹介します。
名古屋市ポテンシャルマップ
エコロジカルネットワークマップ
名古屋市全体で、公園や里山など「緑地」の位置をマップ上に緑色で可視化しました!
緑地どうしをオレンジ色の線で結んで、緑地間のいきものの移動を示したよ!
※今回はチョウ類の移動距離400mを参考に、チョウ類が移動できる緑地間のつながりを可視化しました。
●緑地の緑色の濃淡は、周囲の緑地とどれだけネットワークが繋がっているか、繋がりの中心地としての重要性を表しているんだ!

A
B
拡大すると・・・



オレンジの線:
チョウの通り道!
濃い緑:とっても重要な緑地!
A
B
中間の緑:ほどほどに重要な緑地!
薄い緑:それほど重要ではない緑地!
市の中心地は緑地がまばらだけど、東側に緑地が多いね!
また名古屋市を取り囲む庄内川の河川敷が重要な緑地になっていることがわかるね!

水辺の生息地ポテンシャルマップ

猪高緑地周辺
名古屋市の緑地を黄緑色で示しました
水の溜まりやすさを青のグラデーションで示しました(青が濃い箇所ほど水が溜まりやすい!)
青と黄緑が重なっている箇所は、”湿潤度が高く植物がある”ということだね!
そのような環境では、カエルや水生昆虫が生息している可能性があるよ!

水辺の生息地ポテンシャルマップ(拡大)

池
上のマップから、名東区にある
”猪高緑地”周辺を拡大してみると…
池のある場所で湿潤度が高くなっているけど、それ以外の航空写真では確認しづらい湿潤地:樹木の下にある湿潤地なども確認できるんだ!
